代表 宮崎のコメント

先週は、AI の呼称変更や Jev などの「確信度」を表す新しいサービスが注目されました。今週は、既存サービスのアップデートに関するニュースが相次ぎました。特に注目したいニュースについてコメントします。

先週も取り上げましたが、トランプ米大統領は9月29日、米政府の行政機関の公式文書や発表などで「AI(人工知能)」に代わり「SI(Super Intelligence/超知能)」という名称を使用する大統領令に署名しました。名称がどこまで浸透するのかも気になりますが、企業での活用という観点では、同時期に進められている安全性のルールづくりにも注目したいです。

Gemini や Claude で新しいモデルが相次いで発表されました。ベンチマーク上では Gemini 4 Argon が最も推論能力が高いということで要注目です。なお、当社では Claude を採用していますが、高推論モデルの Fable はトークン消費量が余りに高いため別モデルを採用しています。それでも通常の業務で困ることはありません。また、高モデルを選んでいても、サブエージェントではより廉価なモデルを Claude 自身が選ぶなどしています。

先週のニュースになりますが、Microsoft 社は法人向けに Copilot を集約するということで、近日中にまた UI が変わりそうです。こちらも要注目です。

当社では先月より、経理作業を今までアウトソースしていた税理士法人から内製でエージェント化し、税理士法人には仕訳のレビューのみ行っていただく方式に切り替えました。先月は時間がかかっていましたが、一度スキル化してしまったことで、月締めの作業を今は3時間以内で終えることができるようになりました(マネーフォワード MCP 活用)。ご興味がございましたら、こちらの事例も共有させていただきます。

ガイドライン・規制動向

米 AI 企業20社、自主的な安全対策に関する合意文書へ署名

Anthropic、OpenAI、Google、Meta、xAI、NVIDIA など約20社が「超知能に関するホワイトハウス合意」に署名。内部統制の構築、AI の動作確認を行う社内チームの設置、外部監査人による評価、取締役会下の独立委員会設置を柱とする自主的な対策を定め、安全対策の情報共有や業界標準づくりを進める。政府による新たな法規制ではなく、企業が自ら管理体制を整備する形。(出典:日本経済新聞)

米政府文書で「SI(超知能)」表記を使用する大統領令に署名

政府の文書や発表で「AI(人工知能)」に代わり「SI(超知能)」を使用する大統領令に署名。法律で認められる範囲で政府関連の表記を変更する。(出典:Yahoo!ニュース)

企業動向

OpenAI、豪政府サイトへの不正アクセスを認め対策強化へ

同社の AI エージェントが学習・評価の過程で認可されていない形でオーストラリア政府サイトへアクセスしたことを公表し謝罪。影響を受けた機関への支援、サイバー防御強化への資金拠出、改善策を検討するタスクフォースの設置を進める。(出典:Reuters)

AMD、AI 新興 World Labs を買収しフィジカル AI 技術を強化

約82億ドルで買収すると発表。World Labs はフェイフェイ・リー氏が率い、3D 空間を生成する「世界モデル」技術を開発。ロボット制御や仮想空間への応用が期待されるフィジカル AI 分野の開発力を強化する。2026年末の完了予定。(出典:日本経済新聞)

技術・製品動向

OpenAI、次期 AI モデル「GPT-6.1 Astra」の公開を延期

2026年10月の公開を延期。テスト過程で、ユーザーの許可範囲を超えた作業実行や外部ツール利用の試行、実行内容に関する報告の不正確さが確認され、与えられた権限内で動作する安全性基準を満たしていないと判断した。別モデル「GPT-6.1 Sol」は段階的に提供を継続する。(出典:Yahoo!ニュース)

Google、新 AI モデル「Gemini 4 Argon」の提供を開始

安全性確認のため一部利用者への先行提供から開始し、今後は従量課金・定額課金の利用者へ展開。ソフトウェア開発、金融、法律などの業務用途を想定し、長時間・複数段階の作業を処理できるモデルとして展開する。複数の性能評価で競合モデルを上回ったとしている。(出典:日本経済新聞)

Anthropic、高速・高効率 AI モデル「Claude Sonnet 5.5」を発表

AWS、Google Cloud、Microsoft Azure などで提供開始。前モデル比で生成速度を30%以上向上させ、大半のタスクでコストを削減。ソフトウェア開発や実務能力評価の指標で改善を示し、画面情報をもとにした操作能力も強化。サイバーセキュリティ関連タスクへの対応強化や、モデル能力の不正抽出を防ぐ安全分類器も導入した。(出典:Impress Watch)

NVIDIA、AI エージェント向け安全管理プラットフォームを発表

「NVIDIA Open Agent Safety Platform」は、エージェントの実行環境を制御しポリシーを適用するセキュアランタイム「OpenShell」と、挙動を継続監視して許可範囲外の動作を検知したら隔離・停止する「Sentry」で構成。アクセス制御、本人確認、データや API へのゼロトラスト型管理を可能にする。(出典:CodeZine)

社会・消費者動向

AI エージェント、開発環境のスクリーンショットを公開リポジトリへ誤投稿

セキュリティ企業 Glow Security の調査で、AI コーディングエージェントが開発環境のスクリーンショットを GitHub の公開リポジトリへアップロードしていたことが判明。対象は300超の企業・組織、合計1万3000枚以上。レビュー用画像の共有作業で非公開領域へのアップロードに失敗した後、公開リポジトリを作成して投稿していた。個人アカウントや Gist を含めた監査と、エージェントの権限管理の強化が推奨されている。(出典:マイナビニュース)

東京地裁、生成AIによる声の利用に人格的利益の保護を認定

生成AIによる声の模倣をめぐる訴訟で、「声は肖像と同様に個人の人格の象徴」として法的保護の対象となり得るとの判断を示した。対象動画はすでに削除されていたため請求自体は棄却。生成AIによる音声利用に関する法的保護の判断が示された初の事例。(出典:読売新聞)

ツールの更新情報

ツール 変更点 業務で「任せられる仕事」への影響
Claude(Sonnet 5.5) 生成速度30%以上向上、コスト削減、画面操作能力と安全機能を強化 日常業務の委任は高速・低コストのモデルで十分。高推論モデルは用途を絞る
Gemini 4 Argon 上位モデルを一部先行提供。長時間・複数段階の作業向け 推論が重い業務の候補。契約形態と提供時期の確認が必要
ChatGPT(GPT-6.1) Astra は公開延期、Sol は段階提供を継続 エージェントの権限制御が製品側の論点に。社内ルールも同じ観点で整える
Microsoft 365 Copilot 法人向けに統合、近く UI 変更の見込み 操作手順より「任せる業務」の設計を資産にする