「配ったのに使われない」は珍しくない

Microsoft 365 Copilot は、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teams といった既存のアプリに組み込まれているため、導入のハードルは低いはずです。しかし実際には、ライセンスを配布して数か月後にアクティブ率が2〜3割で止まる企業が少なくありません。原因は大きく5つに分けられます。

理由1:期待値がずれている

「魔法のように資料ができる」と期待した社員は、最初の数回で「思ったより普通だ」と離れます。逆に「どうせ使えない」と決めている社員は最初から触りません。

対策:導入時に「何ができて、何ができないか」を業務の言葉で示す。たとえば「会議の要約と ToDo 抽出は任せられる」「数値の最終確認は人がやる」のように、境界線を明確にします。

理由2:自分の業務との接点が見えない

機能紹介の研修を受けても、「自分の月曜朝の作業のどこで使うか」が分からなければ行動は変わりません。

対策:職種別のシナリオを用意し、実際の業務の流れの中で使う場面を示します。職種別 Copilot 活用シナリオ のように、営業・企画・管理部門・管理職で分けると接点が見えます。

理由3:データが整っていない

Copilot は SharePoint や OneDrive、Teams にあるデータを参照します。ファイルが個人の PC に散在していたり、フォルダの権限が整理されていなかったりすると、回答の質が落ち、「使えない」という印象につながります。

対策:よく使う資料の置き場を SharePoint に集約し、権限を見直します。データ整備は情シスだけでなく、業務部門が自分たちのフォルダを整えることが重要です。

理由4:推進体制がない

導入プロジェクトが「ライセンス配布」で終わり、その後の質問や困りごとを受け止める人がいない状態です。

対策:各部門に推進担当(チャンピオン)を置き、月1回の事例共有会を運営します。推進担当には先行して実践レベルの研修を行い、社内で最初に成功事例を作ってもらいます。

理由5:成功体験が共有されていない

一部の社員が便利に使っていても、その使い方が他の社員に伝わらなければ広がりません。

対策:「この会議の議事録を Copilot で5分にした」「この提案書の初稿を30分で作った」といった小さな事例を、Teams のチャネルで日常的に共有します。数値(削減時間)を添えると説得力が増します。

利用率を上げる進め方

  1. 現状把握:利用状況レポートで、使っている人・使っていない人・使っているアプリを確認する
  2. 対象を絞る:意欲のある部署と管理職で先行し、職種別シナリオで研修する
  3. データ整備:先行部署のフォルダと権限を整える
  4. 推進体制:チャンピオンと事例共有の場を作る
  5. 拡大:成功事例と削減時間をもとに、対象部署を広げる

研修と伴走で「使い続ける」状態に

当社の Microsoft 365 Copilot 研修 は、経営層・現場・情シスの階層別に、職種別シナリオと持ち込み業務での演習を行い、研修後は週次の伴走で利用率と成果を追います。すでに導入済みで利用率に課題がある企業は、無料相談 からご連絡ください。定着しない構造的な理由は 研修後にAIが定着しない3つの壁 でも解説しています。

よくある質問

利用率はどのように測れば良いですか?
Microsoft 365 管理センターの Copilot 利用状況レポートで、アプリ別・ユーザー別のアクティブ率を確認できます。加えて、部門ごとに『任せた業務』と『削減時間』を自己申告で集めると、質の面も把握できます。
ライセンスは全社員に配るべきですか?
最初は推進意欲のある部署と管理職に絞り、成功事例を作ってから広げるほうが定着率は高くなります。全社配布は、ルールと研修体制が整った段階で判断します。