ガイドライン・規制動向
OpenAI 主任サイエンティスト、AI の安全基準と第三者監査の導入を提言
法的または国際的に義務付ける最低限の安全基準を設け、高度なモデルを展開する前に基準を満たす仕組みを提言。適合確認は第三者監査機関のネットワークや政府機関が担う体制を示し、共通の安全策が確立されるまで企業が開発を自主的に減速させることも求めた。EU では AI 法が施行され、高度なモデルについて自律的なサイバー攻撃や人間の制御回避を防止できることの証明を企業に求める仕組みが導入されている。(出典:BBC)
企業動向
NTT ドコモソリューションズ、IT 運用業務の約30%を AI エージェントに移管
プラットフォームサービス部で IT 運用業務の約30%を AI エージェントに任せ、最終的に70%まで引き上げることを目標とする。図表中心の「パワポ文書」を AI が読み取りにくい課題に対し、日報・週報をテキストのみで作成する運用に変更。AI 導入自体を目的とせず、業務上の目的と成果を先に定義する「アウトカムセントリック」の考え方を重視している。(出典:ITmedia)
NTT データや富士通、AI 導入支援の FDE を拡大し成果報酬型への転換を推進
顧客企業の現場に常駐して AI 導入を支援する FDE を、NTT データ・富士通・ソフトバンク・日立が拡大。NTT データは人月モデルから、導入成果に応じて対価を得る課金体系への転換を検討。富士通は4月に FDE 事業部を設立した。(出典:日本経済新聞)
SHIFT、生成AIを使わない時間を設けた新入社員研修を実施
2026年4月入社の364人を対象に、生成AIを使う前に課題設定・仮説思考を行う工程を設けた研修を実施。画像生成の課題では固有名詞の使用とやり直しを禁止し、生成前に目的と条件を整理するプロセスを取り入れた。AI の出力を検証せずに使うことが研修上の課題になっているという。(出典:Yahoo!ニュース)
住友商事・SCSK・Sakana AI が提携、国産生成AIを10万社の顧客網へ導入支援
Sakana AI がモデル開発、SCSK がデータ整備と既存システム統合、住友商事が顧客紹介を担う。まず金融・製造業などセキュリティ要件の厳しい企業を対象に、大企業から中堅・中小企業へ広げる。(出典:日本経済新聞)
ネクシーズ、生成AIによる日本 IP 利用の対価を保有者に還元する仕組みを開始
子会社がアニメなどの IP を集めて AI 開発企業とマッチングし、利用料を徴収して IP 保有者に還元する。「キャプテン翼」を使った動画生成の実証では45日間で約33万件の動画が生成された。(出典:日本経済新聞)
技術・製品動向
OpenAI、GPT-6 Astra への需要増で月額200ドルプランの新規契約を一時停止
9月3日に発表した GPT-6 Astra の提供を順次開始する中、9月10日に個人向け最上位の月額200ドルプランの新規契約と他プランからのアップグレード受け付けを一時停止。需要が想定を上回ったことが理由で、再開時期は未定。(出典:Yahoo!ニュース)
メタ、AI エージェント「Muse」を提供開始、買い物や予約などを自動化
9月8日に米国で提供開始、日本を含む各国へ順次展開。ネット通販での購入、旅行や飲食店の予約、メール送信などを代行する。購入や送信の実行前には利用者の承認を求め、行動履歴を後から確認できる。基本無料で、月額20ドル・100ドルのプランも用意する。(出典:日本経済新聞)
社会・消費者動向
生成AI利用率が1年で 38% から 60% に増加、中高生は 30.5%
ビデオリサーチの調査で、直近1カ月に生成AIを利用した人の割合が 60%(2025年同時期 38%)。利用目的は「調べ物・情報収集(仕事・勉強)」68.1% が最多。有職者では局長・部長クラス 54.8%、その他管理職 52.7%、役員 47.7%、一般社員 36.7%。(出典:Yahoo!ニュース)
AI 開発の加速を巡り、Anthropic と OpenAI で安全性を懸念する動き
Anthropic の研究者が開発の加速と安全性への懸念を理由に退社し、OpenAI の政策担当幹部も性能競争より安全確保を優先すべきとの考えを表明。OpenAI はこれまで反対していた AI 規制の一部に賛成へ転じ、安全性の専門家を非営利部門の理事会に起用する方針を示した。(出典:日本経済新聞)
生成AIによる偽造レシートの精度向上、企業の経費精算対策が課題に
画像生成機能で本物と見分けにくい領収書画像を短時間で作成できるようになった。マネーフォワードは、コーポレートカードや外部サービスの決済データを領収書と併用し、領収書だけでは精算できない仕組みを構築。企業側の対策として、支払いをキャッシュレス決済に集約し決済データを経費精算システムに直接取り込む方法、領収書原本の保管や抜き打ち確認を組み合わせる方法が挙げられている。(出典:Yahoo!ニュース)
AI 研究者が業界を離脱、超知能開発を巡り政府介入と開発減速を要求
OpenAI と Anthropic で事前学習に携わった研究者が、自己改善型の人工超知能の開発競争を危険視して業界を離れると表明。単独の企業では責任を持った開発は難しいとし、政府の介入や企業間の協調による減速が必要だと訴えた。(出典:時事ドットコム)
技術動向・研究
フィールズ賞受賞者25人、AI による数学研究の進め方に関する緊急声明
OpenAI が「ナビエ・ストークス方程式」を AI で解決したと発表したことを受け、結果だけが重視され概念的な理解や先行研究の扱いが不十分になる可能性を指摘。OpenAI は約1万体のエージェントを約88時間稼働させたとしている。(出典:日本経済新聞)
生成AIの利用で思考力・知識定着率が低下する実験結果、AI 活用の3原則を提示
カーネギーメロン大学やオックスフォード大学などの実験では、AI を使ったグループは AI が使えないテストで正解率が約9割から6割前後に低下。別の実験では45日後の知識テストで AI 利用グループが 57.5%、非利用グループが 68.5%。識者は「AI を先生にしない」「学びたいことに使わない」「答えを求めない」の3つを提案している。(出典:日本経済新聞)
ツールの更新情報
| ツール | 変更点 | 業務で「任せられる仕事」への影響 |
|---|---|---|
| ChatGPT(GPT-6 Astra) | 有料プランへ順次展開。需要増で Pro(月額200ドル)の新規受付を一時停止 | PC 操作を伴う作業の委任が現実的に。ただし契約枠の確保は計画的に |
| Meta Muse | 個人向け AI エージェントを米国で提供開始 | 購買・予約の代行が一般化。顧客接点が AI 経由になる想定が必要 |
代表 宮崎のコメント
今週は GPT-6 関連の話題(人気がありすぎて一部制限が発生)、また AI の開発速度を弱める動きが業界を通して出たことが印象的でした。
また、領収書の画像生成による虚偽申請のニュースは、経営管理の観点では今後出てくる課題ではないかと思い、どのようにガバナンスをしていくのか(例:現金経費は一律 NG)、今後の動向に注視したい次第です。